研究課題/領域番号 |
12630035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済統計学
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研究機関 | 愛知江南短期大学 |
研究代表者 |
木下 太志 愛知江南短期大学, 教養学科, 教授 (50234323)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 人口転換理論 / 近代化 / 人口構造 / 出生率 / 死亡率 / 第一次産業人口比率 / 乳児死亡率 / ヨーロッパ出生力プロジェクト / 都市化率 / ヨーロッパ出生力プロジエクト / プリンストン指標 |
研究概要 |
本研究の目的は、戦後半世紀あまり、経済学、人口学、社会学、文化人類学などの社会科学諸分野で広く支持され、かつ国際政治上強い影響力を持ってきた人口転換理論を、日本人の経験に照らして実証的に検証することにある。本研究は、平成12年度と13年度の2年間を費やしたが、平成12年度には、データ入力とデータクリーニング、様々な人口指標の計算、計算された人口指標の地図化を行い、平成13年度には、これらの作業を基礎に本格的な分析を行い報告書を作成した。分析では、まず人口指標としてのプリンストン指標を検証した。その結果、本研究が扱う1920年から1960年という期間においては、この指標が日本人の人口学的行動をほぼ正確に測定し得ることを確認した。その後、人口地図を使い、日本の地域性を詳しく検討した。その結果、人口学的にみれば、日本は決して一枚岩ではなく、いくつかの地域性があったことが確認できた。一例をあげれば、有配偶出生率は西日本で低く、東日本で高いという「東高西低」のパターンが存在した。時系列的な調査からも、いくつかの興味深い事実が明らかになった。たとえば、1920年から1960年にかけて、日本の有配偶出生率は一様に低下したわけではなく、なかには、途中、出生率が上昇した地域もあった。また、日本とヨーロッパの人口転換前後の状況を比較すると、両者の間には顕著な違いがあった。すなわち、ヨーロッパの人口転換においては、有配偶率にはほとんど変化はなく、有配偶出生率が急速に低下する。一方、日本の場合には、有配偶出生率と有配偶率の両方がほぼ同時に低下していた。さらに、重回帰分析からは次のことが明らかになった。(1)総じて、日本人の出生率は農業関係の変数および乳児死亡率と密接な関係にある。(2)1920年から1950年にかけて、日本人の出生率を決定する共通の構造が存在したが、この構造は1960年には消失する。(3)重回帰分析の目的変数として、有配偶出生率そのものを使うより、有配偶出生率の低下のスピードを使うモデルのほうがよい結果が得られる。
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