研究分担者 |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
田中 洋平 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (00135295)
小池 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70146306)
落合 啓之 東京大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90214163)
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80201490)
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研究概要 |
昨年度,本年度と引き続いて,P・Trapaが具体的に記述した"実Lie群に対するRobinson-Schensted対応"のうち,群がSU^*(2n)の場合に関し,組合せ論的解釈を与える研究を行った。この対応は,2n点の上のいわゆるBrauer diagram(固定点のない対合とも解釈できる)と,箱の数が2nで列の長さがすべて偶数である標準Young盤との間の全単射である。方法の一つは,古典的なRobinson-Schensted対応そのものが与える同じ集合の間の全単射との間をintertwineする写像を探すこと,もう一つは古典的なRobinson-Schensted対応がGrreene-Kleitmanによって半順序集合の不変量を用いて特徴づけられてるのと同様の意味で,この対応を何らかの組合せ論的な量を用いて特徴づけることである。前年度に後者に関して予想を得,研究を続けたが証明には至らず,現在も研究継続状態となっている。今年度中の内外の研究者との交流を通じていくつかの興味深い指摘を受けた。一つは,前年度までの研究で扱った対応のKnuth versionに相当するPak, Postnikovの対応を幾何と結び付ける余地があることである。これに関連して,completeでないflagのvarietyのN-stalbel partの既約成分分解がまだ明瞭でないことの指摘もあった。現在対象としている対応も,Knuth versionや区分的線型写像への拡張を通じた組合せ論的解釈の新たな方法をも模索する必要がある。一方,Sp(2n, R)のWeil表現のテンソル積の分解を重みの間の等式として与える全単射の構成を目的とするT.Roby氏の研究の支援を継続し,Sp(4,R)の場合には,テンソルの回数の少ない例外的な場台を含めて一応の完成を見た。
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