研究概要 |
空間内に埋め込まれた結び目、絡み輪、グラフ等の幾何学的・代数的性質について研究を行い、計算機による研究環境支援の整備を行った。 1.高次元リボン結び目の代数的不変量の研究を行った. 高次元リボン結び目のある幾何学的条件のもとでの2次元ホモトピー群の群表示を決定した.さらに「リボン球体予想」と,この群表示とが同値であることを示した.この代数的不変量に関する問題が,幾何学的性質に関する問題に完全に帰着することができた. 2.2次元結び目の幾何学的構成の研究を行った. bannded knotと呼ばれる結び目を構成し,これがリボン結び目と類似の幾何学的性質を持つことを証明し,1960年代に示されたいくつかの結果の別証明を与えることができた. 3.空間グラフおよび絡み輪の研究を行った. 空間グラフとしてのブーケの自明性のための必要十分条件を与え,それに付随したトンネル数1の結び目,絡み輪の幾何学的性質を明らかにした. 4.結び目群の群構造についての研究を行った. オートマチック群の観点からの結び目群の研究を行い,結び目群でのオートマティック構造が幾何学的にどのような性質を反映するかについて考察を行った.さらなる研究の継続中であり,計算機との関連から今後興味ある結果が得られるものと期待できる. 5.情報ネットワークでの研究支援のための計算機環境の整備を行った. Webサーバ,メーリングサーバの構築を行い,低次元トポロジー関係の情報を公開することができ,さらに研究連絡・情報交換等を行うためのメーリングリストにより、約100名程度の研究者が実際の利用を行っている.
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