研究概要 |
研究実績は以下のとおり. 今年度は、纏まった結果を得ることができなかった。部分的に得られた結果を以下に述べる。 神戸大学のJ.Brendle教授は、「一定区間で常にpredictする」の相対概念である「どんな間隔でもある部分で続けてevadeされる」から定まる碁数不変量達e_k(n)(ただし、K<ω,n<ω)を導入し、チホンの図式の基数不変量との関係に関して、様々な結果を得ている。そこでの未解決問題として、e_2(n),e_2,cov(M),dの関係を挙げている。J.Brendle教授には、「一定区間で常にpredictされる」から定まる基数不変量に関して、私の提出した問題を解かれた借りがあり、この借りを返したいと思い、彼の提出した未解決問題を中心に研究を進めた。その結果、e_2(n)<d, for all n<ωを得た。この時点で、d<e_2が可能である(矛盾しない)と予想して、それの成立するgeneric modelの捜索を始めた。まず、d=ω_1の成立する既存のgeneric modelでe_2の値がどうなっているか調べてみたが、どのmodelにおいてもe_2の値はdの値と同じくω_1であった。そこで、方針を変更して、d<e_2を満たすgeneric modelを新たに構成しようとしているが、現在のところうまくいっていない。 「分割の性質を持たない正規ウルトラフィルターの存在」に関しては、前年度までにそこからweakly compact基数の存在が得られることが分かっていたが、これに関する目標は、相互無矛盾な巨大基数を見つけることである。(K.Kunenの結果からそれがineffable基数より小さいことは知られているが、weakly compactはineffableに比べるとかなり弱い(小さい)巨大基数である。)今年度判ったことは、weakly compact基数が無限個あることだけであり、大きな前進は得られなかった。
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