研究分担者 |
加須栄 篤 金沢大学, 理学部, 教授 (40152657)
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
藤本 坦孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
清水 悟 東北大学, 理学研究科, 助教授 (90178971)
野口 潤次郎 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (20033920)
北原 晴夫 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60007119)
林田 和也 金沢大学, 理学部, 教授 (70023588)
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研究概要 |
本研究の目標は「n次元複数ユークリッド空間C^nの有界領域Dの正則自己同型群Aut(D)が非コンパクトであるならば,Dはある複素楕円対Eに双正則局値であろう」という基本予想を解決することであったが,これとの関連で研究代表者および分担者は以下のような研究を行った。 1.研究代表者児玉は,与えられた複素楕円体Eの強擬凸境界点全体からなる集合S(E)の構造を詳細に調べた。特に,S(E)がCR幾何学の意味での臍点を持たない場合にはWebsterのCR-不変計量を有効に用いることができ,例えばEが球面型境界点を持つのは,ほとんどの場合に,Eがn次元単位球B^nと一致する時のみであることなどを示した。 2.分担者藤本は複素射影空間への正則写像に対する値分布論の応用に取り組み,特に3次元複素数射影空間内で次数が8である新しいタイプの双曲型超曲面の構成,および複素平面上の任意の非定数有利型関数f, gに対してf^<-1>(S)=g^<-1>(S)を満たす時つねにf=gであるような性質をもつ有限集合Sについて新しい結果を得た。 3.分担者清水はC^n内のチューブ領域TΩ上の完備な多項式ベクトル場のなすり一環gの構造詳細に調べ,延長定理と呼ばれる低い次数のTΩ上の完備多項式ベクトル場に関する情報を基にして,より高い次数のTΩ上の完備多項式ベクトル場を決定する方法を与えた。そして,その応用として,アフィン正則自己同型のみを許容するチューブ領域に関する正則同値問題を完全な形で解決した。
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