研究課題/領域番号 |
12640174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大山 陽介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10221839)
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研究分担者 |
宮西 正宜 (宮西 正宣) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025311)
日比 孝之 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80181113)
小谷 眞一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10025463)
茶碗谷 毅 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80294148)
山本 芳彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90028184)
鹿野 忠良 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80028183)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | パンルヴェ方程式 / ツイスタ理論 / 非結合代数 / パンルベ函数 / τ函数 / パンルベ方程式 / 可積分系 / 超幾何微分方程式 / モノドロミ保存変形 |
研究概要 |
「パンルヴェ方程式は超幾何方程式の非アーベル類似」であるという指導原理で始めたこの研究であるが、最終的に、今後のパンルヴェ解析においては「モノドロミ可解」な解のクラスが重要な役割を果たすであろうという、新しい指導原理を得て終わった。ある意味で、終わりではなく別の研究への始まりである。 本研究の間に、さまざまな進展があり、パンルヴェ方程式は数理物理にとどまらず、数論や組み合わせ論、確率論などさまざまな分野へと多角的に関係を持っており、逆にそれらの研究からのフィードバックが行われつつあると感じる。こうした応用の中で、キーワードとなるものがモノドロミ可解性である。すなわち、他分野で重要な役割を果たしているのは、パンルヴェ方程式(だけでなく、一般のモノドロミ保存変形の方程式)の梅村の意味での特殊解からはみでた解である。この解に対応する線型方程式のモノドロミは一般に可解である。このモノドロミの可解性が、パンルヴェ函数そのものの可解性へと発展するととを願ってやまない。 本研究から派生した研究として、重要なものを二つあげると、一つはランク4のダルブー・アルファン方程式の可解性の判定条件を非結合代数の言葉を用いて得たことである。ランク3の場合は、超幾何方程式に帰着する条件が知られていたが、ランク4の場合に拡張されたことで、パンルヴェ解析への応用が開けたことになる。 もう一つは、D7型パンルヴェ方程式の特殊解の決定である。これによって、離散的でないパンルヴェ方程式の梅村の意味の超越古典解は完全に分類された。梅村の特殊解として、残るはパンルヴェ6型の代数解のみとなった。 パンルヴェ方程式の既約性について不完全な証明が発表されてかち100年であり、従来の研究に完全に区切りをつけることができなかったのは残念であるが、新しい方向を見出すことができたと思う。
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