研究課題/領域番号 |
12640199
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山ノ内 毅彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30241293)
|
研究分担者 |
植田 好道 九州大学, 数理学研究院, 助教授 (00314724)
新井 朝雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134807)
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 局所コンパクト量子群 / フォンノイマン環(因子環) / カルタン環 / ガロア群 / 非I型可分C^*-環 / 近似的内部1径数自己同型群 / 融合自由積 / 測度付き同値関係 / 融合積 / 作用素環 / 量子群 / 極小作用 / UHF flow / 純粋状態空間 / 基底状態 / 自由積 / カッツ環 / 擬ヴォロノヴィッツ環 / Rohlin性質 / 量子場 |
研究概要 |
山ノ内は局所コンパクト量子群のフォンノイマン環への作用の解析を行った。まず局所コンパクト量子群の作用に対しそれに附随する「ガロア群」という概念を導入した。最初の試みとしてコンパクトKac環の極小作用に対しそのガロア群を計算し、それが与えられたKac環の双対の内在的群と位相同型になることを明らかにした。この結果の応用として、有限次元Kac環の因子環Aへの外部的作用が与えられたとき、その不動点環がAにおいて正則であることと、このKac環が余可換であることは同値であることを証明した。さらに青井氏との共同研究により、AがAFD II型因子環のときは、上の条件はAと不動点環が共通のカルタン環を持つこととも同値であることを示し、Jones-Popaによる結果をKac衆の場合に拡張できることを明らかにした。また掲載予定の論文では上述の結果を一般の局所コンパクト量子群の場合に拡張することを試みた。それにより任意の局所コンパクト量子群の可積分かつ極小な作用に対し、そのガロア群がやはり双対Kac環の内在的群と位相同型になることを証明することに成功した。さらに不動点環の正則性と量子群の余可換性が同値であることも示すことができた。 岸本氏は、C^*-環の1径数自己同型群の研究を行った。まず非I型可分C^*-環の、自明でないコンパクト作用素を含まない任意の既約表現に対し、それを共変表現に持つような近似的内部1径数自己同型群が構成できることを証明した。また非1型可分C^*-環の任意の1径数自己同型群に対し、それが内部摂動を許して任意のUHF環上の無限テンソル積流れの埋蔵と一致するための必要十分条件を得ることに成功した。 植田氏は、カルタン環を共有する2つのフォンノイマン環のカルタン集上での融合積の構造の解析に取り組んだ。その結果として、まずこのような融合積はMcDuff因子環にはなりえないことを証明した。その系として、融合積がfullであるための必要十分条件は、対応する同値関係がstrongly ergodicであるという結果を得ている。またこの同値関係が従順であるときには、Connesの定義したχ-群がその同値関係の1次コホモロジー群と同型になることも証明している。
|