研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、Tタウリ型星の近赤外線波長域における光度変化のモニター観測を行い、時間変動の起源を明らかにすることであり、その結果からTタウリ型星の光球面の表面状態や星周円盤の構造に関する知見が得られるものと期待する。特に赤外線波長域におけるモニター観測は非常に限られた天体と、限られた時間間隔のものしか存在しない。これらの観測を効率的に行うために、本研究では微光天体観測用の赤外線カメラと、小望遠鏡とを組み合わせたシステムを用意し、一撮像で0.3平方度という広視野を実現、複数のTタウリ型星を同時に観測するとともに、同一視野内に非変光星を導入することを可能とした。このような観測を行うと、これら2次標準星を用いることにより、精度の良い測光観測が可能である。本装置の感度は、20分観測時にS/N〜10となる限界等級がJバンド17等級、Hバンド15.5等級、K'バンド14等級であり、牡牛座星形成領域(距離140pc)でのTタウリ型星の観測に十分な深さを実現できる。本研究で用いる赤外線カメラの開発に当たり、赤外線天文観測衛星ASTRO-F搭載用赤外線カメラに用いるInSb検出器の駆動評価のための電気系、データ取得系の製作及び駆動評価実験を行った。また光学系の設計製作及びその評価実験を行った。カメラの開発には、既存の液体ヘリウム冷却容器を改造し、検出器を組み込み動作評価を行った。光学系には、32cm反射望遠鏡のニュートン焦点用に赤外線波長域で使用できる収差補正光学系を開発した。検出器の駆動には、汎用画像検出器コントローラCOGITO-3システムを改良したものを用意した。これを用いて、東京大学駒場キャンパス内にある望遠鏡を用いて、牡牛座観測領域の観測を行った。これらの結果を含め、ASTRO-F計画における星形成領域に関する計画検討へと発展させた。
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The Astrophysical Journal 572
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Pub.Astron.Soc.Japan 153
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Mid- and Far Infrared Astronomy and Future Space Missions ISAS research note Special issue 14
ページ: 19-26
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