研究課題/領域番号 |
12640268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 (2001) 大阪大学 (2000) |
研究代表者 |
羽澄 昌史 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20263197)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | B中間子 / 稀崩壊 / 衝突点検出器 / CP非保存 / ストレンジB中間子 / 崩壊点検出器 |
研究概要 |
本研究の目的は、次世代の衝突型加速器を想定したモンテカルロシミュレーションを行い、ストレンジB中間子及びB中間子の稀崩壊の測定に最適な測定器のデザインを解明し、その効果を研究することである。特に、電子陽電子衝突について、衝突点検出器の位置分解能を向上させることがどの程度可能か、又、それにより、どのような物理を開拓出来るかを問題にした。まず、現在KEKのBファクトリー実験で実際に使用している測定器の位置分解能を明らかにし、その結果を国際会議にて発表した。続いて、改良計画として、半径1cmのビームパイプ、2層のシリコンピクセル及び4層のストリップ検出器を配置するような構成を考えた。この構成を用いれば、現在と比べて分解能を約1/3に改善出来ることがわかった。又、現在検討されているスーパーBファクトリーのシリコンストリップ検出器でバックグラウンドの量や放射線損傷を考慮して、許容できると思われる構成であることも確かめた。この構成を用いて、様々な測定量について、どの程度の改良が見込めるかをシミュレーションにより見積もった。ストレンジBの稀崩壊については、以上の変更を加え、かつルミノシティを10倍程度に増強しても、ハドロンコライダーを用いた実験と比べて、稀崩壊の探索という観点では、電子陽電子衝突での大きなメリットは見出せなかった。一方、Bの稀崩壊については、いわゆるcombinatoric backgroundを格段に減らせることがわかった。 又、この研究から派生して、荷電B中間子の二つのファイ中間子とK中間子への稀崩壊を用いて小林・益川位相では説明出来ない新しいCP非保存位相を探索する新しい方法を見出し、日本物理学会(平成13年秋)にて発表した。この方法はストレンジB中間子やラムダBバリオンへの応用も考えられるため、今後の組織的な研究が必要である。
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