研究概要 |
中重核領域における典型としてα-^<90>Zr間の相互作用が低いエネルギー領域におけるα粒子散乱の解析から調べられ,この質量領域においても予想外に吸収が強くなく,ポテンシャルを内部領域まで決定できることが示された。この相互作用をもちいて^<94>Moの基底帯の構造がクラスター模型で理解できることが示された。^<48>Crの基底回転帯でみられるバックベンディングのメカニズムおよび閾値付近におけるαクラスター構造が半微視的直交条件2αクラスター模型で明らかにされた。α-^<12>C散乱が低いエネルギーから高いエネルギーまで,^<12>Cに微視的波動関数をもちいたチャンネル結合法で系統的に解析され,フォールディング・ポテンシャルの有用性が示された。α-^<12>C間相互作用と虹散乱のエアリー構造から^<12>Cの第2励起0^+状態の3α粒子ボース・アインシュタイン凝縮が議論された。 αクラスターに関係した研究の成果をふまえ,重イオンを含む核間相互作用とクラスター構造の研究が展開された。^<16>O+^<16>O散乱など虹散乱のエアリー構造のメカニズムが内部波・外部波の視点で分析され明らかにされた。気象虹と核虹の類似性と異質性がLunenburgレンズの概念をもちいて明らかにされた。核虹のエアリー構造の理解が低いエネルギー領域,(準)束縛状態における複合系のクラスター構造の解明に大きな役割を果たすことが示された。虹散乱の研究から^<32>Sにおいて^<16>O+^<16>Oクラスターバンド構造が存在することおよびこれらは3本存在しバンド状態は分散していること,もっとも低いN=24バンドは超変形構造をしていることが明らかにされた。典型核において超変形とクラスター構造の関係が明らかにされ,クラスター構造研究はより高い段階へと発展する可能性が開かれた。典型核^<32>S以外において,^<28>Siにおける^<16>O+^<12>Cクラスター構造と超変形の関係が論じられた。
|