研究概要 |
平成12〜13年度(2年間)の研究内容、成果は次の通りである。 1.研究内容 (1)試料の作製:正極材料として、LiCuO_2の粉末試料合成を母原料(Li_2O, LiOH, CuO)の焼成により行い、また、LiV_2O_5の粉末試料について提供(インド、ブハラチア大学)を受け、X線解析によりキャラクタリゼーションを行なった。また、負極材料として、LiGa試料の提供(法政大学、青森大学グループ)およびカーボン試料の提供(松下電池工業)を受け、測定試料とした。 (2)測定:正極材料LiCoO_2,LiNiO_2,LiCuO_2およびLiV_2O_5に対して、^7Li核のスピン-格子緩和時間T_1と線幅ΔHの温度依存性を測定し、LiCuO_2およびLiV_2O_5についてはMAS-NMRにより、ケミカルシフトを測定した。また、LiCoO_2,LiNiO_2について電気伝導度の温度依存性を4端子法により測定した。負極材料のβ-LiGaについて、^7Li,^<71>GaのNMR測定を77K〜500Kの領域で行なった。 2.成果及びまとめ (1)LiCoO_2,LiNiO_2のNMRおよび電気伝導度のデータをまとめ、LiNiO_2のLiCoO_2に対する代替性を考察して4件(国内3件、国外1件)の報告と2報の論文を公表した。 (2)LiCuO_2の線幅ΔHの温度依存性のデータを解析して、Li^+イオン拡散の活性化エネルギーを評価し、正極材料としての可能性を考察した。関連の論文1報の公表と1件の報告を行った。 (3)β-LiGaのNMR測定からLi^+イオン欠陥の秩序・無秩序変態が起きていることを確認し、また、無秩序相での拡散の活性化エネルギーを評価して負極材料としての性能を議論した。関連する3報の論文を公表し、6件の報告を行った。 (4)カーボン試料のフォノンエコーは観測することができなかった。今後の課題としたい。
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