研究課題/領域番号 |
12640317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
内藤 正路 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60264131)
生地 文也 九州共立大学, 工学部, 教授 (00093419)
西垣 敏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60126943)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 表面電子応答関数 / 荷電粒子-表面相互作用 / 集団的励起 / プラズモン / 非弾性散乱 / 電子エネルギー損失分光 / 準安定原子 / 表面電子系応答関数 / 準安定原子脱励起 |
研究概要 |
固体表面でのイオン・準安定原子の中性化や脱励起は表面電子系との相互作用により支配されるが、この過程に関する動的応答関数の解明は原子散乱理論において重要な課題である。最近申請者は金属表面でのすべての可能な集団的励起を考慮に入れた応答関数の理論を電子エネルギー損失分光に応用・発展させた。本研究の目的は、この動的応答関数計算という理論的方法を金属や半導体表面でのイオンの中性化や準安定原子の脱励起などのプロセスに応用することである。本研究では表面電子系のプラズモン吸収ライン幅異常の理論的解明、及び電子トンネリングに対する固体電子系の多体応答の理論化に取り組んだ。得られた成果は以下の通りである。 1.低速電子が表面領域の内部に深く侵入することの効果を量子力学的に計算し、多重極プラズモン増強現象のメカニズムを説明した。 2.プラズマ振動数およびその近辺でも正しい値を与える2次応答理論を展開し、応答の非線形性がプラズマ振動に制約を与えることを見出した。 3.理論に2次の応答項を取り入れて、表面準位電子状態が作る電子系での集団励起の問題への適用を試みた。銀吸着Si(111)表面上の表面準位が作る擬2次元電子系のプラズモン損失構造における異常ライン幅を2次の応答項を使って説明した。 4.走査トンネル顕微鏡(STM)でのトンネリング誘起光子放出の理論的解明を行った。遅延効果を取り入れた線形応答理論によって電磁波発生過程を記述し、電子トンネリング自体が時間と場所に対してどのような関数の摂動となるかという概念を構築した。
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