研究課題/領域番号 |
12640319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
赤井 一郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20212392)
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研究分担者 |
唐沢 力 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90106336)
小松 晃雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90047134)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 半導体ナノ構造 / 励起子 / 高密度励起 / 多体効果 / 光励起状態のダイナミクス / 非線形光学効果 / 発光性有機色素 / 物性物理学 / 物生物理学 |
研究概要 |
1.Al_xGa_<1-x>As/AlAs半導体量子細線中励起子の多体効果とそのダイナミクス Al_xGa_<1-x>As/AlAs半導体量子細線を高密度光励起し、発光に現れる励起子多体効果とそのダイナミクス、および、金属マスクを併用した量子細線の顕微分光により空間的伝播のダイナミクスを調べた。その結果、多体効果においては、量子細線間の緩和による励起子蓄積効果のダイナミクスが重要であり、その結果、個々の量子細線において励起子の位相空間充填効果による励起子固有エネルギーの変化を明らかにした。また、空間伝播のダイナミクスでは、1次元的な異方拡散が観測され、高密度化により量子細線方向の拡散定数が大きくなる現象を見出だした。 2.層状半導体結晶ナノ界面中励起子の多体効果とそのダイナミクス BiI_3中に自然形成されるナノ界面に束縛された励起子系や層状半導体GaSe励起子系において、励起子の高密度効果及びその空間・時間的ダイナミクスを調べた。その結果、BiI_3においては、空間分離型縮退四光波混合法により、高密度下において量子可干渉性を保った励起子状態がマクロに伝播しており、そのダイナミクスが多体量子状態を記述するGross-Pitaevskii方程式に従った挙動を示すことを明らかにした。一方GaSeでは、励起子の非弾性散乱発光過程の空間的ダイナミクスが明らかになった。 3.マトリックスに担持した半導体微結晶中励起子の多体効果とそのダイナミクス 多孔質ポリマー・ガラスをマトリックスとしてCuI, HgI_2, PbI_2, TlI微結晶を育成させ、その微結晶中に高密度励起した励起子の多体効果や、微結晶化による電子格子相互作用の変化について調べた。その結果、CuIやHgI_2では微結晶化により、新しい結晶構造が安定化し新しい励起子状態が発現した。また、これらの微結晶系においては、励起子分子状態や非弾性散乱過程等の多体効果が発現し、サイズや温度に依存して多体効果のメカニズムが変化することを明らかにした。また、マトリックスと微結晶の間のエネルギー移動に伴う微結晶固有のダイナミクスについても新しくTlI, HgI_2微結晶等で見出した。 4.機能性有機半導体ナノ分子中の励起子のダイナミクス 高輝度発光性色素Alq_3、ピリジンチオラト銅錯体結晶において、発光に寄与する光励起状態のダイナミクスについて調べた。その結果、特にAlq_3では、発光に寄与する2つの状態と熱活性に関与する中間状態を含んだ新しい光励起状態のモデルを提唱した。また、ピリジンチオラト銅錯体結晶では、配位子の違い等から、発光に寄与する状態の起源とそのダイナミクスを明らかにした。
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