研究課題/領域番号 |
12640338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
ウラジミール ユードソン (ユードソン ウラジミール) 千葉大学, 先進科学教育センター, 教授 (00322032)
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研究分担者 |
井上 純一 千葉大学, 先進科学教育センター, 助手 (90323427)
大高 一雄 千葉大学, 先進科学教育センター, 教授 (40010946)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ランダム系 / メゾスコピック / ナノ構造 / 弱局在 / 相互作用 / 非線型応答 / メソスコピック系 / 永久電流 / 量子井戸 / 励起子 |
研究概要 |
磁束が貫くメゾスコピック常伝導金属リングに沿って流れる永久電流の実験によって生じた現象が、この研究の動機づけとなっている。外場中に電子相互作用で起きる時間に依存しない電流の効果を考察した。 ケルディッシュ関数法を用いて、時間に依存する外場へのメゾスコピック電子系の非線型応答について理論を展開した。閉じたメゾスコピック系の非線型応答は、開いた系の応答とは著しく異なることが示された。この理論は、交流の励起のもとでメゾスコピックリングに流れる時間に依存しない電流のメゾスコピックな変動を分析することに応用できる。電流相関関数は外場のスペクトル幅に非常に敏感で、磁束反転に対して異なる対称性を持つ。この観測は金属リングにおいて測定可能な時間に依存しない電流中のノイズで励起された成分についての仮説を支持する。 さらに量子メゾスコピック現象の古典的な対応物、すなわち境界が変動する狭いチャンネルにおける拡散について研究した。境界の変動は、量子輸送、特に外場への非線型応答において、考慮すべき変化を引き起こす可能性がある。チャンネルの開閉で生じる非線型応答の差異が論証された。これは量子メゾスコピック系に現れるカノニカルとグランドカノニカルの差異に類似する。 レーザポンプで励起された二重量子井戸中の電子正孔系での相互作用と無秩序効果について考察した。低励起領域では双極子-双極子相互作用が、液滴を形成する領域に励起子を凝縮させようとする割合と励起子の再結合の割合との均衡に影響を与えることを示した。これによって液滴の大きさと不均質な(小水滴-蒸気)状態の形成に制限があることが導かれる。対照的に、無秩序の状態が、液滴の形成を促す可能性がある。これらの成果はこの分野の最近の実験を論証するために応用されている。
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