研究課題/領域番号 |
12640341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
坂田 英明 東京理科大学, 理学部, 助教授 (30215636)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 超伝導 / 磁束格子 / 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光法 / ボロカーバイド / YNi_2B_2C / 重い電子系超伝導体 / CeRu_2 / 重い電子系 |
研究概要 |
本研究は、いくつかの超伝導体において磁束格子を観察するのみでなく、磁場変化などを加えたときの磁束格子の変化を、走査トンネル分光法を用いて実空間・実時間で観察し、磁束格子のダイナミックスを調べることを目的とした。 主な研究対象としては、我々が初めて磁束格子の観察に成功しているボロカーバイトYNi_2B_2Cを選んだ。この物質において、温度変化により磁束格子が三角格子から正方格子へ相転移することを実空間で観察した。また、1T程度の強い外部磁場を1.5Tまで変化させたときに、結晶中の析出物境界に磁束量子がピン止めされる様子を実空間で観測することに成功した。1T程度の強い外部磁場のもとで、このような磁束量子のピン止めの様子を実空間で観察したのは、われわれの知る限りではこれが初めてである。析出物境界の近くでは、境界の存在の影響により、磁束格子が安定な三角または正方格子から大きくひずんだ格子を形作っていることも見出した。 また、試料表面に現れる結晶面のステップエッジに磁束量子が近づくと、ステップ構造により磁束量子の周りの超電流分布が乱され、ステップエッジ上で準粒子の状態密度が増加するという現象を見出し、このような構造の磁束量子の運動への影響を考えた。また、重い電子系の超伝導体CeRu_2においても磁束格子の観察に成功し、また同時に結晶表面に現れた超伝導にならない領域を観察し、このような領域がピンとして働く可能性を指摘した。
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