研究課題/領域番号 |
12640356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
矢野 英雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70231652)
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研究分担者 |
石川 修六 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90184473)
畑 徹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10156333)
松原 明 大阪市立大学, 理学部, 助手 (00229519)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 超流動ヘリウム3 / 不純物効果 / エアロジェル / p波クーパー対 / 核断熱消磁冷凍機 / 超低温 / 核磁気共鳴 / 融解圧温度計 / 超流動^3He / ^3He融解圧温度計 |
研究概要 |
p波クーパー対を形成する超流動^3Heの不純物効果を実験的に明らかにするために、冷凍機の製作・性能試験と、不純物として用いるエアロジェルの開発を行い、製作した測定装置を用いて不純物による^3Heの超流動密度変化を明らかにした。 超流動^3Heの冷却は核断熱冷凍法を用いる。高純度銅を母材とする冷凍機を製作し、その性能試験を行った。希釈冷凍機により高磁場中(8T)で16mKの温度まで冷却後、断熱的に消磁することにより最低温度45μKを得ることができた。また250μK以下に1月以上保てることがわかった。この性能は世界でも1、2位を争う。また性能試験を行った結果として、冷凍機内部の熱発生の起源を明らかにし、熱発生の少ない冷凍機の開発法を確立した。 不純物として用いるエアロジェルは、空孔率97.5%、98%、98.5%の3種類を製作した。したがって不純物濃度としては、2.5%、2%、1.5%となる。このサンプルについて、第4音波法を用いて、不純物による^3Heの超流動密度変化を測定した。 これらの結果より次の点を明らかにした。 1.不純物が存在すると超流動密度が押さえられ、また超流動転移温度が下がる。 2.これらは、不純物濃度により系統的に変化する。 以上の研究成果は国際会議や学会・研究会で発表し、活発な議論が行われた。これらの討論により、超流動^3Heの不純物散乱の機構を解明するためには、そのスピン構造を知る必要があることがわかった。これらは核磁気共鳴法により実験的に明らかにすることが可能であり、今後このスピン構造を明らかにしていく予定である。
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