研究課題/領域番号 |
12640361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
米満 賢治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60270823)
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研究分担者 |
岸根 順一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80290906)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 交互積層型電荷移動錯体 / ハロゲン架橋白金錯体 / スピンクロスオーバー錯体 / 中性イオン性相転移 / 電荷密度波電荷分極相転移 / 光誘起相転移 / パイエルス・ハバードモデル / 時間依存量子発展方程式 / モンテカルロ計算 / 有機導体 / 有限温度密度行列繰り込み群 / 金属錯体 / 電荷移動錯体 / 電荷整列 / 電子相関 / 電子格子相互作用 / 次元クロスオーバー / 密度行列繰り込み群 |
研究概要 |
DCNQI分子が銅イオンに配位する物質はπ軌道とd軌道の混成により伝導性と磁性の複合した状態が現れる。圧力下で現れる絶縁相は3倍周期の格子歪みと常磁性が共存し、パイエルスとモットの絶縁機構が協力的に働いている。π軌道とd軌道のレベル差が中途半端であっても自己ドーピングが起こり、3倍周期に強く引き込まれる様子を、2バンドのパイエルス・ハバードモデルを厳密対角化して解明した。 電荷移動錯体TTF-CAは低温または高圧下で常誘電中性相から二量化を伴う強誘電イオン性相へ転移することが知られ、光照射によっても両方向へ相転移する。1次元拡張パイエルス・ハバードモデルの時間依存シュレディンガー方程式を解いた。イオン性相からの電荷密度と格子変位のダイナミクスを求め、光励起に対する閾値強度を再現した。電荷移動量の時間変化のフーリエ解析から、励起子に由来する速い振動、格子振動に由来する遅い振動、中性イオン性相境界の集団運動に由来するさらに遅い振動を分類した。光照射によって初期のイオン性相とは反対方向に分極するイオン性ドメインが生まれ、格子秩序が電荷移動量に比べてずっと速く減衰する。これは反射率変化より第二高調波変化が速く起こる実験結果と矛盾しない。 ハロゲン架橋複核金属錯体には様々な電荷整列や格子変形を伴う絶縁相が配位子、ハロゲンイオン、対イオンに依存して現れる。それぞれの電子相の出現機構を金属d軌道とハロゲンp軌道に対する拡張ハバード・パイエルス型モデルを使って調べた。特にヨウ素架橋複核白金錯体で配位子がpopの物質群はCDW相と電荷分極(CP)相が現われる。ヒステリシスループ内で光照射するとCDW相からCP相へは転移するが逆は起こりにくい。CP相を低エネルギーで光照射しても複核間の電荷移動を伴わず、高エネルギーで複核間の電荷移動を強制してもそれが核となって自己増殖することができない。
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