研究課題/領域番号 |
12640379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
岡部 豊 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60125515)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シミュレーション手法 / モンテカルロ法 / 有限サイズスケーリング / ポッツモデル / イジングモデル / XYモデル / クロックモデル / 量子シミュレーション / ランダムスピン系 / Tsallis統計 |
研究概要 |
ランダム系、複雑系などにおいては、緩和の時間スケールが非常に長くなる長時間スケールの問題、あるいはスローダイナミックスの問題が表われ、しばしば計算機シミュレーションを困難にしている。このスローダイナミックスの示す物理的問題の本質を解明すると共に、スローダイナミックスを克服する新しいシミュレーション手法を提案することが急務の問題となっている。本研究の目的は、相転移におけるダイナミックスをモンテカルロ法を主とするシミュレーション手法を用いて解明することにある。 本研究において、確率変動クラスターアルゴリズムという臨界点を自動的に決定できる手法を新しく開発した。この手法を2次元ランダムスピン系に適用しクロスオーバーと自己平均性の性質を明らかにした。また、この方法をKosterlitz-Thouless(KT)転移を示す2次元XYモデル、q状態ポッツモデルに適用し、転移温度、臨界指数のq依存性を論じた。さらに相関関数の比の有限サイズスケーリングの性質を用いて確率変動クラスターアルゴリズムを一般化し、量子シミュレーションへの応用を行った。具体的にスピン1/2の2次元量子XYモデルのKT転移点を精度よく決定した。 またクラスターアルゴリズムと拡張アンサンブル法を組合せた新しいモンテカルロダイナミックスを提案した。このアルゴリズムはブロードヒストグラム関係式を利用したものであるが、ダイナミックスとして用いると同時に状態密度の精度の高い計算に利用できる。実際、このアルゴリズムの有効性をポッツモデルの場合に示した。
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