配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
本研究プロジェクトでは,深部付加体としての高圧変成帯の付加・上昇テクトニクスを,四国中西部の三波川変成帯を例に研究した.以下にその結果を簡潔にまとめる. (1)従来,大きく6種類に区分されていた三波川変成岩類の原岩を,鉱物組み合わせおよび全岩化学組成に基づいて,22種に細分した. (2)細分した原岩種層序に基づいて,三波川変成岩中のいわゆる"海洋プレート層序"を復元し,三波川変成岩の原岩層序の上下判定に用いた. (3)海洋プレート層序に基づく上下判定によって,Bannoet al.(1978)の熱構造によって提案された大規模横臥褶曲の存在が確認された. (4)海洋プレート層序を保存していない原岩層序のあるものは,本来の一連の層序中に泥質片岩が層状に挟まっているものが認められた.これらから泥質片岩を除くと海洋プレート層序が復元されることから,この構造は海洋プレートがアンダープレートする際に形成されたと判断される.本研究プロジェクトでは,この構造を'シャッフルカード構造'と呼ぶ. (5)深部付加体としての三波川変成帯では,脱水反磁によって放出された流体は,ナップ境界の剪断帯を通過して上昇した.その際に,周辺の岩石にホウ素を付加し,酸素・炭素同位体の変質を引き起こしている.
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