研究概要 |
平成12年7月から8月にかけて,沖縄県石垣島,同伊良部島鹿児島県喜界島で原生サンゴ礁と完新世および更新世の化石サンゴ礁の調査を行った.石垣島では白保付近のサンゴ礁の12地点で1×,1mの方形区を用いて、現生サンゴ礁群集を写真撮影し,スケッチした.また,平野沖のサンゴ礁でダイビングによって水深20m付近の造礁サンゴのリストを作成した.伊良部島では島東部の牧山採石場と西部の採石場で更新統琉球層群に含まれる造礁サンゴ化石のスケッチを行った.スケッチの大きさは最大で6×6mであり,合わせて3つの層準で行った.喜界島では上嘉鉄の完新統の隆起サンゴ礁と志戸桶の更新統琉球層群をスケッチした. 平成13年度にはこれらのスケッチをもとに研究室において各造礁サンゴ個体の被覆率を計算し,現生サンゴ群集と更新世化石群集の種構成,含まれる割合,上方への変化を解析した.その結果,石垣島白保の現生サンゴ礁では5つの群集が分布することが明らかになった.また,完新世で最も海面の高かった約6000年前の造礁サンゴ群集の変化が判明した.また,志戸桶小学校裏の露頭を調査した結果,更新世後期(約5万年前)の海水準変化に伴う群集変化が明らかになった. これらの研究成果の一部は,平成12年10月にインドネシア共和国のバリ島で開かれた第9回国際サンゴ礁学会で発表した.また,伊良部島の更新世造礁サンゴ群集に関する調査結果は海外の学会誌に掲載された(Sagawa et al.,2001).
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