研究課題/領域番号 |
12640460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
森田 利仁 千葉県立中央博物館, 自然誌歴史研究部地学研究科, 上席研究員 (70200433)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 巻貝 / 殻成長 / 頭足塊 / シミュレーション / サザエ / 付着物 / 巻き成長 / コンピュータモデリング / 異常巻き / 巻きシミュレーション / 迂回反応 / 足収縮筋の押し付け / C++プログラム / 発生的制約 / 付着物反応 / 飼育 |
研究概要 |
海棲巻貝サザエ約300個体について、殻の成長方向に障害物(シリコンゴム)を付着させる実験を行った結果、殻の成長に、次のような迂回反応が認められた。 1.障害物が成長ルートの上部(殻頂側)に存在するとき、殻口は障害物に衝突する直前に下方(反殻頂)側に向き、障害物を下から迂回し、迂回後に再び上方に向かって成長する。 2.障害物が成長ルートの下部(反殻頂側)に存在するとき、殻口は障害物に衝突後、一時前方への成長を停止し、その間殻口が外側に膨張する。その後、下方迂回をしつつ障害物を乗り越える。 この二つの迂回パタンはともに、殻成長の方向を決定するのに、頭足塊が殻口の外に伸びる方向が強く関与していることを示唆している。このことを証明するために、あらかじめ内在的に決定されている付加殻の成長形が、頭足塊の伸び方向によって変形されるという、単純な数値計算上のモデルを立て、殻成長と障害物への反応をシミュレーションした。その結果、1.付加殻の成長形がたとえ巻き成長にあらかじめ決定されていなくても、頭足塊による変形によって、巻貝類が一般的に有する規則的な密巻き螺旋成長を生成できることが示された。 2.この頭足塊による変形のみで生成された殻成長パタンは、障害物に対する下方迂回パタンを示すことも示された。 以上の実験とシミュレーションの結果から、巻貝類の殻の巻き方には、殻口(直接的には殻を作り出す外套膜組織)に対する頭足塊の力学的な押し付け効果が、重要な影響を与えていることが明らかとなった。このことから、頭足塊と殻口との接触が避けられない生息姿勢で殻を成長させる巻貝類が、螺管どうしが重なる、密巻き型の巻き方しか有さないという形態進化のパタンを、古典的な適応進化の結果とする解釈ではなく、むしろ巻き方進化における発生上の制約として解釈することができる。
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