研究課題/領域番号 |
12640470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小藤 吉郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40029872)
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研究分担者 |
沼子 千弥 徳島大学, 総合科学部, 助手 (80284280)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ミクロ構造 / ペロブスカイト / プロトン伝導 / イオン伝導 / 酸化物プロトン導電体 / 物質移動 / SrZrO_3 / 希土類 |
研究概要 |
本研究は、イオン導電性物質、特に、地球内部で重要なケイ酸塩鉱物が高圧相転移すると考えられているペロブスカイト型構造のミクロ構造をX線回折法、X線分光法、電子顕微鏡観察、熱分析法を駆使して明らかにし、イオン伝導の機構を明らかにし、地球内部における物質移動をミクロ構造からアプローチすることが目的である。 イオン伝導は温度が高くなると大きくなり、地球内部の固体の高温状態でイオン伝導が起こっていることは容易に想像できる。地球内部の物質移動には水が重要な働きをしていると考えられることから、また、ペロブスカイト型構造のケイ酸塩が地球内部に存在すると予想されていることから、高温下でのペロブスカイト型構造のプロトン伝導機構の解明は、地球内部の物質移動の機構を明らかにする上に重要である。 ある種のペロブスカイト型構造の酸化物は摂氏数百度以上で、かつ、水蒸気や水素雰囲気下でプロトン伝導を示すことに着目し、三酸化ジルコニウムストロンチウムのジルコニウムを希土類元素で置換した試料を用いた。合成試料はX線回折法により、単相であることを確認した後、リートベルト解析による格子定数の精密化を行い、化学組成が目的のものであることを確認した。熱分析(TG-DTA)は空気雰囲気下で室温から1200度まで行った。その結果、DTAでは顕著な発熱、吸熱ピークは観測されなかった。TGは室温からは単調に減少するが、高温領域で減少量が多くなった。TGの減少は酸素空孔によるもので、酸素空孔がプロトン伝導に寄与していると考えられる。Ybを5mol%置換した試料のTGの昇降温で観測された顕著なヒステリシスループはYb10mol%置換の試料では観測されず、約400度低い温度からの酸素空孔の増加がYb10mol%置換した試料がプロトン伝導度が最も高い原因と考えられる。 本研究の結果、高温下では希土類元素添加による生ずる酸素欠陥と共に酸素イオンの無秩序構造がプロトン伝導にも重要な役割を果たしていることが明らかになった。学会発表:Int.Conf.Solid StateIonics,'01 July(Cairns);固体イオニクス討論会、'01Nov.(東京)、投稿中:Solid State Ionics
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