研究課題/領域番号 |
12640487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90251363)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 電子状態理論 / 電子相関問題 / メゾスコピック系 / QCAS-SCF法 / GMC-QDPT / PEMO-DFT法 / 多重電荷アニオン / 電荷移動錯体 / 大規模系 / GMC-QDPT法 / String Product Space SCF法 / 非直交密度汎関数法 / GMC-SCF法 / 多配置SCF法 / 多配置摂動論 / ELMO-DFT法 / 分子積分 |
研究概要 |
メゾスコピックな系には、溶質-溶媒分子系、吸着分子-表面系などのインターフェイス系、直鎖ポリエンなどの無限系のモデル、クラスターなど、数多くの化学的に重要な系が含まれる。本研究では、メゾスコピック系の定量的量子化学理論の開発とプログラムパッケージの開発をする事によって理論を計算機へ実装し、メゾスコピック系のab initio分子軌道計算を行うことを目的とした。特に、以下に記すように、1.大規模系の多配置SCF法、および、Kohn-Sham密度汎関数法の開発、2.大規模系の電子相関理論、特に、多参照を基礎とした摂動論MC-QDPTの開発、3.これらを利用した大規模系の電子構造、化学反応の解明、に焦点を絞り研究を行った。 1.ab initio分子軌道法では、分子軌道を決定する理論がとりわけ重要である。その計算に不可欠である分子積分の計算について、高速アルゴリズムとそのプログラムの開発するとともに、引き続き、それを基に、分子軌道の決定理論であるQCAS-SCF法、ストリング積SCF法、一般MC-SCF法を開発した。これらの方法では、化学的に重要な電子配置だけを考慮し、従来使用されてきたCAS-SCF法では不可能であった大型の計算を実現することができた。また、非直交局在軌道を用いた大規模系の密度汎関数理論PFMO-KS法も提案している。 2.定量的な電子状態の記述に必要な電子相関の取り込みは、1の理論を第一近似としたQCAS-QDPT, GMC-QDPT、MROPT摂動論、多参照Brillouin-Wigner摂動論によって行う。これらは、1の成果を基に大規模分子に対しても高度に電子相関を取り込んだ計算を行うことのできる理論である。 3.1、2の成果を基に、多重電荷アニオンの分子設計、CT錯体における中性-イオン性相転移の解析、五員環化合物の高励起状態の同定、長鎖ポリエンの電子状態など、大規模系を含む多くの系に対する適用を行うことができた。
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