研究課題/領域番号 |
12640503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
築山 光一 東京理科大学, 理学部・第一部, 教授 (20188519)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 自然放射増幅光 / ASE / 状態占有数 / シード光 / 偏光 |
研究概要 |
自然放射増幅光(ASE)は、原子・分子の二準位間の遷移により生じた自然放射光が、高密度に反転分布した媒質自身の誘導放射過程により増幅された光である。本研究ではASEのこのような特徴を利用した二つの手法を用いて、カスケード的なRydberg状態間ASE放射緩和過程を操作することに成功した。第一の手法は、自然放射光が増椙されるために必要な条件である、反転分布を解消させるものである。この方法は反転分布を生成/解消することでASEをON/OFFすることから「スイッチング法」と呼ぶ。第二の手法は、ASEが誘導放射過程により増幅された光である点に着目したもので、「シード法」と呼ぶ。ASEを発生している反転分布媒質に、そのASEと同波長の光を外部からシード(種)光として導入することで当該ASE遷移を増幅する。いずれの方法論においても、NO分子においてASEによる状態占有数の移動の方向が強制的に誘導されていることが証明された。一方、反転分布媒質は外部入力光の増幅器として作用することができる。もし外部入力光として波長可変なレーザー光を用い、gainが十分に大きければ励起状態間のレーザー分光計測が可能になると考えられる。実際CO分子において、B(0)とA^1Π(v)の間に反転分布が形成されている条件下で微弱なシード光(通常μJ/pulse以下)を導入し、B(0)→A(4)に対応する607nm付近で波長を掃引する。透過してくるシード光の強度を波長の関数として計測したところ、共鳴波長で最大gain約100を達成した。gainを検出する本法(transient gain SEPを称されることがある)の利点として、微弱なシード光を用いているためバックグラウンドがほとんどない、また蛍光収率が低い前期解離性準位を中間状態として設定しうる等がある。
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