研究課題/領域番号 |
12640516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
俣野 善博 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40231592)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ビスマスイミド / ビスマスイリド / メタセシス / X線結晶構造解析 / 環化 / ポリスチレン / ビスマスオキシド / アルキリデンカルベン / 脱水縮合 / スチレンポリマー / 安定型ビスマスイリド / マイケル付加 / イソシアナート / オキサゾール環 |
研究概要 |
本申請課題では、合成化学の場で高原子価有機ビスマス化合物の醸し出す特性を積極的に利用するために、ビスマスイリドおよびビスマスイミドの特異性を活かした反応の開発を目指して研究を展開してきた。期間内で達成した成果を以下に簡潔に紹介する。ア)安定型ビスマスイリドおよびビスマスイミドの新しい合成法を開発し、その特異な構造および反応性について明らかにした。具体的には、メタセシス反応を利用して窒素上にアシル基もしくはスルホニル基を有するビスマスイミドを合成した。また、イミドと電子欠乏型アセチレンの反応を利用して安定型ビスマスイリドを合成した。得られた化合物のX線結晶構造解析を行なった結果、ビスマス(V)-炭素および-窒素結合が、高度に分極した高い単結合性を有することが明かとなった。特に、イミドの構造については同族軽元素類縁体の構造との系統的な比較に初めて成功した。イ)ビスマスイリド、イミドを用いた新しい環化反応を開発した。具体的には、アルキニルビスムトニウム塩と求核剤との反応により発生するアルキリデン型ビスマスイリドを鍵中間体とするシクロペンテン環・ジヒドロフラン環の構築、安定型ビスマスイミドから合成されるイリドの熱分解・銅塩触媒反応を利用したオキサゾール環の構築に成功した。これらの反応の推進力は、トリアリールビスムトニオ基の高い脱離能であり、高原子価ビスマスの持つ特徴が顕著に現れている。ウ)ポリマー担持型ビスマス試剤への道を切り開くために、ビスマス置換基を有するスチレンモノマーの選択的合成法を開発し、ラジカル重合による可溶性含ビスマスポリスチレンの合成に成功した。エ)ビスマスイミドの合成を検討する過程で、イリドやイミドと等電子構造を持つビスマスオキシドの簡便な合成法を見出し、その基本的な反応性を明らかにした。現在この萌芽を実り多き成果へ導くために精力的に研究を展開している。
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