研究課題/領域番号 |
12640609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
山村 靖夫 茨城大学, 理学部, 助教授 (50202388)
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研究分担者 |
中野 隆志 山梨県環境科学研究所, 研究員
堀 良通 茨城大学, 理学部, 教授 (30125801)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 栄養塩経済 / 栄養塩利用効率 / 光合成 / 窒素 / 貧栄養地 / 生理生態 / 常緑性 / 富士山 / 常緑広葉樹 / 貧栄養立地 / 窒素収支 / 物質生産 / 葉群動態 / 窒素動態 / 光合成速度 / 水ストレス |
研究概要 |
(1)貧栄養条件下で常緑植物が優占するメカニズムを解明するために、火山地の山地帯や亜高山帯の森林において樹木や草本の成長および生理生態学的特性を調査し、物質経済を解析した。 (2)富士山山地帯の溶岩地ではアカマツ林が成立しており、亜高木層以下でソヨゴなどの常緑広葉樹が圧倒的に優占している。常緑広葉樹と落葉広葉樹の物質生産過程、窒素経済を解析、比較したところ、(1)落葉時の窒素の回収率では同等であったが、常緑樹では交代する葉の量が少ないため、植物体における窒素の回転率は低い、(2)常緑葉は窒素の貯蔵器官として働き、新葉の展開は、古い葉からの転流によって支えられてる、(3)常緑樹は落葉樹より、光合成活性は低いが、水ストレスを生じにくいため一日の生産量では差がない、(4)常緑樹は、落葉樹が葉を展開する前後の季節にも光合成生産を行っているため、葉面積当たり年間生産量は常緑樹の方が高いことが明らかになった。以上より、窒素利用効率は常緑広葉樹の方が高いことが示された。 (3)溶岩地のアカマツは、山地土壌のものより落葉時の窒素回収率が高く、光合成に使われない貯蔵窒素を多く含み、光環境の良いシュートに再配置することによって窒素利用効率を高めている。亜高山帯の常緑林床草本は早春の好適な光資源を利用して高い光合成生産を行うことが出来る点で有利であり、窒素利用効率は高い。 (4)以上より、常緑性により保存的な栄養塩経済が成り立ち、高い栄養塩利用効率を持つことが、貧栄養条件下での優占の一般的な原因の一つであることが認められた。
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