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腐食連鎖と生食連鎖が相互乗り入れした食物網:森林のクモと溜池のザリガニを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 12640611
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 生態
研究機関東京大学

研究代表者

宮下 直  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50182019)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード食物網 / 群集生態学 / 腐食者 / 土壌生態系 / 腐食連鎖 / 生物間相互作用 / 生食連鎖 / クモ / ザリガニ
研究概要

本研究では,これまで重要性が不明であった生食連鎖と腐食連鎖の相互関係を明らかにするために,森林と溜池という異なるシステムにおいて,腐食連鎖由来の生物やエネルギーの流れが,従来生食連鎖であると考えられてきた系にとっていかに重要であるかを定量的に明らかにすることを目的にした.
1.森林:草地と林内という異なる環境において,陸上生態系の代表的な捕食者である造網性クモ類が生食連鎖と腐食由来の生物にどの程度依存しているかを明らかにした.その結果,草地では夏場に生食への依存度が高くなったが,林内では一年を通して腐食への依存度が高かった.しかし,同じ生息地でも,網構造などの捕食様式によって依存度は大きく異なることがわかった.次に,野外実験により,造網性クモ類が,個体群,群集の両レベルで土壌由来の飛翔昆虫により支えられているか確かめた.地面にビニールシートを敷いて羽化昆虫を遮断する区画と対照区を4個づつ設置し,それぞれにクモ類を同数放してその後の個体数や種数の変化を追跡した.その結果,遮断区において個体数,種数とも有意に少ないことが判明した.一方,粘着トラップにより各区内での飛翔昆虫量を調べたところ,クモを放す前とクモを全て除去した後には,無処理区の方が遮断区より1.5倍ほど昆虫量が多かったが,クモが存在する期間では有意な差は見られなかった.これは,遮断による飛翔昆虫の減少効果は本来あるものの,無処理区では餌条件がよいためにクモの定着率が高くなり,クモの摂食量の増加によって飛翔昆虫が減少したためと考えられる.
2.溜池:ザリガニや昆虫類,魚類,プランクトン,リターなど種々のサンプルについて安定同位体分析を行い,溜池の食物連鎖を明らかにした.その結果,雑食者であるアメリカザリガニは,周囲に森林の少ない環境では糸状藻類などの一次生産者が炭素源として重要だったが,森林に囲まれた環境ではリターや溶存有機物が重要であった.また,リターの同位対比が低い池では,食物網全体の同位対比が低い傾向が見られ,リターが溜池の物質循環の基盤を決定している可能性が示された.

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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