研究課題/領域番号 |
12640620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (60315596)
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研究分担者 |
陶山 佳久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60282315)
鈴木 準一郎 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (00291237)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | クローナル植物 / クローン動態 / 遺伝的多様性 / 長寿命一回繁殖性植物 / ササ / 地下茎 / DNA解析 / AFLPフィンガープリント法 / クローンサイズ |
研究概要 |
本研究は、典型的な長寿命クローナル植物であるササの群落形成期におけるgenetレベルの動態を記載することにより、クローナル植物の生活史を通じた遺伝的多様性の動態を明らかにしようとしたものである。そのために、一斉開花時からの履歴の判明している個体群を用いて、一斉開花期から群落形成終期までのクローン構造の変化を解析した。 1.1995年に十和田湖南岸域で一斉開花したチシマザサの開花個体から採集保存してあった葉をサンプルとしDNA解析を行い、一斉開花現象が多数個体による同時開花であることを確認した。 2.発生後21年を経たチシマザサ実生由来個体群に対して、掘り取り調査とDNA解析を併用して個体密度の推定やクローン構造の解析を行った。その結果、1)930個体/m^2発生した実生の個体密度は、20年間で10数個体/m^2程度にまで減少したこと、2)群落高や稈密度は開花前の集団に近づいているものの、genet間の成長の差は著しく、広域を1個体が占有するような大きなクローンは見られず、個体間競争により自己間引きが継続中であることなどが明らかになった。 本研究により、(1)AFLPフィンガープリント法はクローナル植物の動態解析にとって大変強力なツールであること、(2)多数個体による一斉開花により明らかに遺伝的多様性が高まること、(3)実生発生後20年あまりで、群落サイズはほぼ回復したものの、個体を単位としてみれば激しい個体間競争が継続しており、ササ群落が平衡状態に達するにはまだかなりの時間を要することなどが明らかになった。また、本研究を通して、フィールド(永久方形区)での継続調査とDNA解析を併用することにより、クローン動態を直接観察するための手法を開拓した。今後、この手法の導入により、これまで全く知られてこなかったササ群落の全生活史を通じたクローン動態の解明が行える見通しがついた。
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