研究課題/領域番号 |
12640634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
酒井 敦 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30235098)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | オーキシン / サイトカイニン / 根冠 / タバコ / BY-2 / 分泌タンパク質 / マイクロアレイ / ペルオキシダーゼ / 培養細胞 |
研究概要 |
タバコ培養細胞BY-2は、オーキシン(2,4-D,0.2mg l^<-1>)を添加した通常培地では活発に分裂・増殖し、小型の細胞が多数直列に連なった細胞塊を形成する。その際、色素体は未分化な状態(原色素体)のままである。一方、オーキシン欠如・サイトカイニン(BA,1 mg l^<-1>)添加培地で培養した場合には、細胞増殖は抑制され、細胞は大型化し、色素体は大量のデンプンを合成・蓄積してアミロプラストへと分化する。こうした変化は、基本的にはオーキシンの除去により引き起こされるが、サイトカイニンの添加によってさらに強化される。 オーキシン欠如・サイトカイニン添加培地では、(1)不活発な細胞増殖、(2)細胞体積の増大、(3)アミロプラスト分化、などの特徴に加えて(4)細胞相互の剥離、(5)細胞の寿命の短縮、(6)分泌活性の増大といった、根冠における細胞の挙動との類似性が多く認められた(以下、根冠型細胞分化誘導系と記載)。それらのうち、(6)について詳しく検討した結果、BY-2の根冠型細胞分化誘導に伴って特異的に分泌されるタンパク質4種類の存在が明らかになった。そのうち一つは分泌型のペルオキシダーゼであることが判明し、SPCT44と名付けたが、残りについてはN末端がブロックされておりアミノ酸配列を決定することができなかったため、内部アミノ酸配列の決定を進めている。また、根冠型細胞への分化に伴う遺伝子発現の変化を明かにするために、ddRT-PCRおよびBY-2のマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析(理化学研究所との共同研究)を行い、根冠型細胞分化誘導過程で特異的に発現する遺伝子をいくつか同定した。マイクロアレイの成果は理化学研究所のBY-2 ESTデータベース(http://mrg..psc.riken.go.jp/strc/)にて公開されている。今後は本研究で得られた分子マーカーを利用し、植物体の根冠でも同様に分泌タンパク質や遺伝子発現の変化が起きているかさらに検討していく予定である。
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