研究課題/領域番号 |
12640656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
高橋 忠夫 西九州大学, 健康福祉学部, 教授 (90116616)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ゾウリムシ / 顕微手術法 / 表層構造 / 形態形成 / 表層単位 / stem units / 位置情報 / 鍍銀法 / 走査電子顕微鏡 / SEMpore法 |
研究概要 |
ゾウリムシでは表層単位増殖領域(各表層単位は2個の基粒体(2bb)を持つ)の後端、すなわち、細胞の後端1/5ほどを占める非増殖領域(各表層単位は1個のbbしか持たない)の直前にある2bbの表層単位こそ永続的に増殖を続けるstem unitsであると、我々は考えている(Takahashi et al.,1998)。本研究は、この仮説を顕微手術法を用いて、実験的に検証することを目的とした。 ゾウリムシの後端、約1/4を顕微手術法によって切除し、それらを、経時的に固定し、主に鍍銀法によって、手術後、第4細胞世代までの再生過程を追跡した。対照区の1繊毛列は平均36単位で構成されているが、手術個体では平均24単位になっており、非増殖領域に特異的な1bb領域を持っていなかった。それらの手術個体は、約48時間後に最初の細胞分裂を行い、分裂で生じた前娘細胞の1繊毛列は平均36単位、後娘細胞では平均26単位で、しかも1bbの単位を細胞後方領域にもっていなかった。また、第2回分裂は、術後約70時間で、第3回分裂は術後約90時間で起こった。この場合、それぞれの前娘細胞由来のものは非手術体と区別がつかないが、後娘細胞由来の後娘細胞の1繊毛列は平均32単位、36単位と徐々に回復した。さらに、後嬢細胞領域の全ての表層単位が増殖像を示し、第4細胞世代では非増殖領域に特異的な1bb領域が再び出現した。また、細胞分裂中のものでは、分裂線は常に前から15-17単位目のところに入った。このことは、分裂溝が、手術体の赤道部に入るのではなく、対照区と同じ位置に入る事を示唆している。また、表層単位の増殖パターンも位置によって異なる調節を受けていた。これらのことから、stem unitsは表層単位を供給しているのだが、それらの増殖と表層パターンの調節は細胞の長軸に添って存在する位置情報によって行われるらしいことが示唆された。
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