研究課題/領域番号 |
12650007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
真島 豊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40293071)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 変位電流 / トンネル電流 / 走査型トンネル顕微鏡 / フラットバンド / シリコン / キャリア濃度 / 空間電荷 / エネルギー準位 / エネルギー凖位 |
研究概要 |
本研究では、申請者がこれまでに独自に開発してきたトンネル電流と変位電流の同時分離計測手法を有機超薄膜に適用し、有機超薄膜/シリコン構造において空間電荷密度とエネルギー準位密度の同時計測を実現した。具体的には有機超薄膜材料は液晶ディスプレイの配向膜として用いられているポリイミドを用い、スピンコート法で熱酸化シリコン基板上に3nmの厚さの有機超薄膜を作製した。この試料を超高真空中でトンネル電流と変位電流の同時分離計測を行う装置に導入し、同時分離計測を行なった。トンネル電流と変位電流は、プローブ電極と試料の間に直流電圧を印加して、プローブ電極を試料に対して非接触で垂直方向に振動させ、トンネル電流と変位電流の位相が90°異なることを利用して、二位相ロックインアンプを用いて分離計測する。シリコン基板におけるトンネル電流と変位電流の同時分離計測における変位電流の電圧依存性からシリコンの局所的なキャリア濃度を測定する確立し、この手法を有機超薄膜試料に適用し、シリコン基板上に作製した有機超薄膜試料の変位電流の電圧依存性とトンネル電流の電圧依存性を同時測定することに成功した。分離測定したトンネル電流の電圧依存性から、有機超薄膜/シリコン構造におけるエネルギー準位密度を見積もった。また、変位電流の電圧依存性におけるシリコンのフラットバンド状態から、有機薄膜中の空間電荷密度を見積もることが可能であることを、解析結果を実験結果にフィッティングすることによりに示した。以上のように、本研究では、有機超薄膜/シリコン構造におけるエネルギー準位図に相当するエネルギー準位密度と空間電荷密度を同時に計測することに成功しており、研究期間内にほぼ計画通りの成果を達成できたと考えている。
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