研究課題/領域番号 |
12650013
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
曽我 哲夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20197007)
|
研究分担者 |
神保 孝志 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80093087)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | ガリウム砒素 / シリコン基板 / 欠陥 / 転位 / 不活性化 / 太陽電池 / 少数キャリア寿命 / フォトルミネセンス / 水素プラズマ / フォスフィン |
研究概要 |
シリコン基板上に結晶成長したガリウム砒素には格子不整合により多くの転位が発生し、デバイス性能を劣化させる。これまで転位密度を低減する方法が提案されてきたが、十分に低い転位密度のガリウム砒素は得られていない。本研究ではガリウム砒素中に存在する転位を電気的・光学的に不活性にすることにより、結晶品質の改善を試みた。Si基板上に結晶成長したガリウム砒素に対してH_2プラズマとH_2+PH_3プラズマを照射したところ、少数キャリア寿命が、未処理では3.2nsであったのがH_2プラズマに関しては3.8nsに、H_2+PH_3プラズマでは4.1nsに向上した。一方、EBIC法から測定される暗点欠陥密度はそれぞれ、2.7×10^7cm^2、1.5×10^7cm^2、8.1×10^6cm^2であり、転位密度の低減効果も確認された。プラズマ処理温度が250℃であることを考えると熱処理による転位の低減効果は小さく、また、キャリア密度もほとんど同じであるから転位の不活性化の効果によるものと確認された。H_2プラズマではプラズマによるダメージにより結晶品質が十分改善されなかったのに対し、PH_3を添加すると点欠陥中に燐原子が入ることにより、ダメージが抑えられたためだと考えられる。また、AIGaAslGaAs界面再結合速度はH/_2プラズマ処理の試料においては3.5×10^3cm/sと未処理の値(3.6×10^3cm/s)とほとんど同じであったが、H_2+PH_3プラズマ処理の試料においては2.7×10^3cm/sと大幅に低減することができた。H_2+PH_3プラズマ処理した試料の電流-電圧特性の暗電流は最も低く、電気的にも優れた特性を示した。実際に作製したSi基板GaAs太陽電池においてもH_2+PH_3プラズマ処理試料においては18.6%と未処理の試料(15.9%)に比べて高い変換効率を示した。また、H_2プラズマ処理はSi基板上GaAs/AlGaAs多重量子井戸のフォトルミネセンス強度増大にも効果があった。本技術をSi基板上InGaPの欠陥不活性にも適用し、H_2+PH_3プラズマを照射によって深い不純物密度の低減とフォトルミネセンス強度の増大ができることが可能となった。さらに、多結晶Si基板上ガリウム砒素の粒界の不活性化にも効果があった。
|