研究概要 |
(1)FeRAM 測定素子は,35mmx12.5mmでMOS構造上の全面に下部電極となる白金を付着させ,その上に強誘電体のPZT(Pb(ZrxTi)O_3)がゾル・ゲル法で厚さ220nm成膜され,さらにいくつかの上部電極の白金が付着している.試料をメタルのカンチレバーに貼り付け,これに曲げ応力を与えて張力と圧縮力を加えた.ソーヤ・タワ回路にてヒステリシス曲線を応力下で観測した。これより自発分極,残留分極,抗電界の応力依存性を求めることができた.実験結果からFeRAMは初期の目的の不揮発性を用いたICカードのみならず,system on chipとして強誘電体薄膜をセンサやアクチエエータに使用可能なことがわかった.実験結果はメモリの繰返し書換によるfatigueにも強いことを示した. (2)MOS p-MOSおよびn-MOSの試料をメタルのカレンチレバーに貼り付け,これに曲げ応力を与えて張力と圧縮応力を加えた.容量の測定にはC-Vアナライザ,1MHzを使用した.n-MOSでは正の電圧を印加した時の最小容量がp-MOSでは負の電圧を印加した時の最大容量が張力により増大し,圧縮力により減少することがわかった.また,応力によりC-V特性の傾斜の移動部分の変化はなく,平坦部分のみ平行移動するだけなので,応力に界面準位と酸化膜固定電荷は変化しないということがいえる.平坦部分のキャパシタンスの変化は,状態密度有効質量とバンドエッジの変化を通じて真生キャリア濃度が変化し,空乏層の幅が変化を受けるものと思われる.
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