研究課題/領域番号 |
12650027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
新井 豊子 (富取 豊子) 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (20250235)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 非接触原子間力顕微鏡 / 表面電子状態 / 相互作用力 / トンネル電流 / ダンピングエネルギー / シリコン / ゲルマニュウム / 超高真空 / 表面相互作用力 / 化学結合力 / トンネン電流 / 散逸エネルギー |
研究概要 |
本研究の目的は、超高真空(UHV)非接触原子間力顕微鏡(nc-AFM)像が試料表面の電子状態に強く依存していることに着目し、フィードバックパラメータとしてvan der Waals力、化学結合力、交換斥力を使い分け、それぞれの表面相互作用力の起源である表面電子状態をnc-AFMを用いて明らかにする新手法を確立することである。nc-AFMを用いた表面電子状態解析にはnc-AFM像だけでなく、「トンネル電流、散逸エネルギー」も用いるので、これらを同時計測するため装置を改造し、Si(111)表面やSi(111)面上に蒸着したGe表面で表面電子状態解析を行い、原子種同定の可能性を探った。 ncAFM像、ダンピング像で、100nmx100nm程度にわたってSTMと同等な原子スケール像が観察でき、Ge薄膜の結晶成長を解析した。ダンピング像で、ncAFM像で描き出された以上の強い原子コントラストをもつ像が観察された。これついての理論的考察として、試料表面原子上での強い引力相互作用により、カンチレバーの一定振動数・一定振幅の条件で、カンチレバーの平均速度が減少することにより起こるモデルを提案した。 探針と試料間に印加した電圧による像のコントラスト変化を調べた。 1.低印加電圧(1V以下)のとき、AFM像で描き出された積層欠陥半単位胞と非積層欠陥半単位胞でコントラスト変化は小さいが、試料電圧を負に高くしていくと(2V以上)、積層欠陥層のコーナアドアトムとGex5構造の積層欠陥層のアドアトムが突出して観察され、ダンピング像では、ダンピングが大きく減少した。 2.周波数設定値をわずかに変化させると、ncAFM・ダンピング像ともに、突出したアドアトムのコントラストが非一様に微妙に変化した。 1では、印加電圧を変化させることにより、安定に探針を試料に接近させて、特定の電子状態にある原子との相互作用を共鳴的に強く変化させることができることを示した。2においては、SiとGeのインターミキシングが起こっていて表面上のSiとGeの差が捉えられている可能性がある。
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