| 研究概要 |
従来の干渉法に代わる新たな歯車歯面形状の干渉測定法の導入を目的として,この新しい測定法の実用化への可能性について検証した.得られだ結果は以下のようである.
(1)新たな測定手法に合致したシミュレーション解析を行うことによりその手法の有効性を検証した.すなわち,ホログラム面に相当する箇所において,基準歯面からの反射光と,球面波なる参照光による位相情報を算出する.ついで,基準歯面の位置に設定した測定対象歯面にビームを照射することにより,ホログラムからの1次の回折光が観測面につくる像の輝度,輝度分布は,測定対象歯面がもつ形状偏差の形態および,その偏差量によって顕著な特長をもつことを明らかにして本方法により形状偏差の検出の可能性を見いだした.
(2)本測定法に適合した実験装置を構築して実験を行い,測定対象歯面がもつ形状偏差の形態,その偏差量が,観測面上の像の輝度およびその分布などが数値計算による結果とどのように対応するかを調べた.その結果,歯面形状偏差の迅速な検出できる可能性が高いことを実験により検証した.
(3)歯車の製造過程で生じがちな打痕についても本測定法での検出が可能であるかを実験により検証した.その結果によれば,ある程度以上の大きさを有する打痕であれば,本測定法により検出可能なことを確認した.
(4)シェービングカッタの研削後にシェービング加工された歯車数によって歯面の光学的性状が変化すると予想されるため,シェービング加工される歯車数に応じて輝度分布の変化を追跡して,シェービングカッタ再研削の必要性の判定基準体測定法を適用できるかを検証したが,得られた結果によればそれは不可能であることが判明した.
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