研究分担者 |
後藤 知伸 鳥取大学, 工学部, 講師 (00260654)
中川 平三郎 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (50033345)
南川 久人 滋賀県立大学, 工学部, 助教授 (60190691)
曲山 幸生 食品総合研究所, 主任研究員 (40343818)
工藤 成史 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (70308550)
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研究概要 |
暗視野生物顕微鏡CCDカメラシステムによって,遊泳するビブリオ菌を観察しながら,その運動をビデオ録画し,菌体の回転速度と推進速度の関係を求めた.計測した細菌形状をモデル化し,ストークス流に対する境界要素法の数値計算を行い,観察結果と比較してよい一致を得た.その結果,単毛性細菌の推進機構は,ストークス流によって説明できることが分った. 細菌の運動を詳細に調べるとストークス流の立場ではありえない前進と後退運動が時間的あるいは空間的に対称でない現象も観察されている.今回の研究では,前進と後退運動の軌跡と速度の測定を多数のビブリオ菌に対して行った.その結果,後退運動の速度が前進運度の速度の1.5も速いことが見出された.その原因としては,べん毛モーターの特性や回転によって生じるべん毛の変形が考えられた. べん毛の回転によって生じるべん毛の変形を評価するために,べん毛に作用する抵抗力を評価し,べん毛断面に作用する力のモーメントを求め,べん毛の曲率捩率の変動量を評価し,べん毛の変形量を求めることが出来た.べん毛の変形を考慮した単毛性細菌の運動の解析を行った結果,観察されているビブリオ菌の前進後退の速度差がべん毛の変形に依るとはいえないことが分った.
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