研究概要 |
(1)計画調書に記載のごとく,移動磁界を発生するローター部を電磁石式から永久磁石式に替え,磁場の強化と発熱の抑制を図った.さらに,コイル状流路の内径を6mmから8mmに替えて管摩擦の影響を低減すると共に,流路の入口における磁性流体チョッパーを電磁弁とツインタイマーを併用する制御方式に変更して断続的な磁性流体の供給を可能とした. (2)性能評価のため(a)最大吐出圧力と(b)吐出圧一定条件下での吐出空気流量を測定した.その際,磁界の移動速度と磁性流体の供給法(断続する時間間隔ならびに一回あたりの量)を変えた.その結果,次の知見が得られた. ・最大吐出圧力は安定的には400kPa程度であり,旧方式の2-7倍となった. ・吐出圧一定条件下での吐出空気流量はインバーター周波数(または移動磁界の速度)に比例して増加し,周波数が4Hzの条件では旧方式の2倍以上である7cm^3/sとなった. (3)本圧縮機の流路内の磁性流体が理想的な流動状態となると仮定したモデルにより最大吐出圧力と吐出空気流量の計算値を求め,実験値と比較した.その結果,次の知見が得られた. ・最大吐出圧力の実験値は理想状態における値の1/10程度である. ・吐出圧一定条件下での吐出空気流量は理想状態における値の1/2程度である. ・理想状態に近づけるためには,磁性流体導入部の更なる改良が必要である. (4)以上の研究成果を,裏面に示すように,機械学会熊本地方講演会,およびアメリカ合衆国ホノルル市で行われたThe 9th International Symposium on Transport Phenomena and Dynamics of Rotating Machineryにおいて発表した.
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