研究概要 |
感圧塗料を用いた圧力計測法は模型表面の圧力分布を一度に取得することができる画期的な手法として注目されているが,高分子ポリマをバインダとした従来の感圧塗料は応答が遅く,持続時間が短い間欠式超音速風洞試験において使用することができなかった.本研究は,感圧塗料自身の応答性の向上と励起光の安定化を図ることにより,間欠式超音速風洞試験に適用可能な感圧塗料による圧力計測法を確立することを目的とするものである.これまでに得られた主な成果は以下のとおりである. 1.青色発光ダイオードの出力の変動は極めて小さく(約0.2%以下),間欠式風洞試験における感圧塗料の励起光源として適していることを実証した. 2.多孔性薄膜(薄層クロマトグラフィ用シリカゲルプレート)をバインダとした感圧塗料の時定数がおよそ10マイクロ秒であることを確認し,現有の吹き出し式超音速風洞のラバルノズル壁面の圧力計測に適用した.その結果,ノズル内に形成される衝撃波による壁面圧力変化ならびにその時間変動を捕らえることに成功した. 3.間欠式風洞試験において不可避な通風中の壁面温度変化が圧力計測結果に及ぼす影響は大きいが,高い熱伝導率を有する両面テープを感圧塗料の固定に用いることで風洞通風中の壁温変化に伴う計測誤差をある程度抑えることが可能であることを明らかにした. 4.単一の画像からでは十分な信号対ノイズ比を得ることができず,画像データのノイズ除去処理が今後取り組むべき重要な課題であることが明らかになった.
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