| 研究概要 |
本研究では,メタンを空気で部分酸化して得られるCO-H_2-N_2混合気を燃料とした場合の予混合火炎と拡散火炎を対象とし,詳細化学反応を用いた数値計算によってその燃焼特性やNOx排出特性を調べ,それらをCH_4-N_2混合気やH_2-N_2混合気が燃料の場合の火炎と比較を行った.燃焼の際の酸化剤は全て空気である.これら3種類の燃料混合気中の混合比は,空気との理論混合気の断熱火炎温度が同一の値になるように設定した.予混合火炎としては一次元予混合火炎,拡散火炎としては同軸流拡散火炎を用いた.後者については数値計算の妥当性を確認するために実験も並行して行い,火炎構造やNOx濃度分布について数値計算結果と詳細に比較を行った.まず一次元予混合火炎については,CO-H_2-N_2火炎の燃焼速度,可燃範囲,NOのEmission Indexのいずれも,CH_4-N_2火炎とは大幅に異なり,H_2-N_2火炎に似ていることが分かった.また同軸流拡散火炎について数値計算と実験の共通の結果として,CO-H_2-N_2火炎の温度分布,火炎長,NO排出量はやはりCH_4-N_2火炎よりH_2-N_2火炎によく似ていることが分かった.即ち,CH_4-N_2火炎に比べるとCO-H_2-N_2火炎の火炎長は大幅に短く,またNO排出量は大幅に少ない.更にこの火炎のNOx排出量が少ない理由を調べるために,数値計算結果に基づいて定量的反応経路図を作成した.その結果,CO-H_2-N_2火炎のNOはH_2-N_2火炎と同様に主としてNNH経由で生成され,Prompt NOのようにCを含む成分が関与するNO生成反応がほとんど無いことが明らかになった.
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