研究概要 |
1.ウェーブレットとニューラルネットワークによる検査方式 熟練検査者の手の力覚による検査時の操作感の検査データから特徴量を抽出する方法について,ウェーブレットによる特徴量抽出とニューラルネット(NN)による検査品の判定を組合せた学習方式と分析手法が有効であることを明らかにした. 2.検査システムの試作と性能評価 ステッピングモータによる押圧方式の機構系と,検査データの計測系から成る検査システムを設計製作した.また,検査データから特徴量を抽出し,その特徴量から熟練検査者と同等の検査結果が出力されるNNプログラムを作成した.検査システムの性能は良好な評価結果が得られた. 3.回帰分析とニューラルネットワークによる検査方式 熟練検査者が最良の品質と判断した検査対象品を最良標準品とし,最良標準品の反力の時系列データと検査品の反力の時系列データから反力差-時間曲線を求め,その全体と時分割区間について特徴量を抽出して,これらの特徴量と熟練検査者の評価結果をNNによって学習し,学習済みNNを検査に適用する手法を提案した.最良標準品と検査品の反力差を検査に用いることによって,検査品の品質の程度を高精度に評価可能であることを明らかにした. 4.検査内容の評価提示システムの試作と評価 熟練検査者の評価結果と,NNの評価結果をデータベース化し,検査技術の習得過程にある検査者が,手の操作感覚によって検査品を評価する際,反力の時系列データを記録して,最良標準品の反力の時系列データとの差を求めて反力差-時間曲線を提示し,熟練検査者の言語表現による評価結果とともに視覚的に確認できる評価提示システムを試作した.本研究による評価提示システムを用いることによって,検査技術の習得期間の短縮が可能になることを明らかにした.
|