研究概要 |
1.マイクロキャビティ白熱放射体の放射特性の測定および数値解析との比較検討:研究代表者の担当 (1)厚さ1μmのタングステンを蒸着した石英のガラス基板の中心領域(8mm×8mm)に、KrFエキシマレーザを用いて直径5μmの円筒キャビティを10μm間隔に合計640,000個加工し,マイクロキャビティ放射体を作製した。直径5μmの円開口キャビティのカットオフ波長は約9μmであり,このカットオフ波長の放射が最大になる温度は約320Kである。そこで,この試料を300〜700Kに加熱して,分光放射発散度を測定した。 (2)上記の測定結果を詳細に分析し,かつ理論解析の結果とを比較して作成したタングステンマイクロキャビティ放射体のカットオフ特性を評価した。 2.タングステンの複素屈折率の測定と表皮長の評価:研究分担者の担当 (1)構築したエリプソメータを用いて板状タングステンの複素屈折率を測定し,複素屈折率を高精度で測定できることを検証した。 (2)タングステンクラスター発光をミー散乱エリプソメトリーで測定して,高温タングステンの複素屈折率を算定するため,マイクロ波加熱によるタングステンクラスター発光の発光(点灯)条件と発光持続条件は封入ガス(気体電ガス):He-Ne,発光体ガス:WO_2,クラスター形成補助材:ScClによって決定される。百本を超える発光管を試作して,瞬時(点灯)と発光を持続するための実験を行ない,有用な知見を得た。また,これまでの実験結果に基づいて,空洞共振器を設計・製作した。その共振器は従来の共振器に比べてQ値が高く,発光強度が向上した。
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