研究課題/領域番号 |
12650283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩熊 成卓 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (30176531)
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研究分担者 |
柁川 一弘 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (10294894)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 酸化物超伝導体 / 並列導体 / 転位 / 交流損失 / 電流分流 / 超伝導変圧器 |
研究概要 |
本研究では、従来の超伝導導体構成法の概念を覆し、酸化物超伝導線材の導体構成法として常電導器で通常用いられている転移並列導体が最適であると提唱して、その実現のために超伝導転位並列導体の交流損失特性の解明を行った。まず、並列導体化に伴う付加的交流損失を定量的に明らかにするために、平角超電導多芯線で構成された2本並列導体が一箇所で転位をされて一様磁界中に置かれている状況を考え、内部平均磁束密度を変数とする基礎方程式を提唱した。これを用いて、付加的交流損失の理論表式を導出し、付加的交流損失の周波数特性、転移位置の最適点からのずれ、磁界振幅、素線間距離等への依存性を明らかにした。また、転位並列導体のパンケーキコイル及びソレノイドコイルへの適用性についても考察した。得られた主な結論は下記のものである。 1)並列導体において最適位置で転位が施され鎖交磁束がキャンセルされる場合には、遮蔽電流は誘起されず付加的交流損失は発生しない。 2)2本並列導体において転位が中央からずれた場合、付加的交流損失は、遮蔽電流が構成素線の臨界電流に達するまでは転位位置のずれの2乗と磁界振幅の2乗に比例し、デバイ型の周波数特性を示す。転位位置の中央からのずれをΔl、以導体全長を,Lとすると、転位なしの場合と比較して付加的交流損失は(24Δl/L)^2倍される。 3)誘起される遮蔽電流が臨界電流に到達した場合には、付加的交流損失は転位位置のずれ長と磁界振幅のほぼ1乗に比例する。この場合も転位なしの場合と比較して付加的交流損失は(2Δl/L)倍される。 4)パンケーキコイルとソレノイドコイルについて、素線数が2〜4本の場合の最適転位法を明らかにした。 5)本研究により、超伝導転位並列導体の交流損失密度は実用上素線のそれに等しいとみなして良いほど低損失であることが判明し、転位並列導体の超伝導機器への適用の妥当性が検証された。
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