研究概要 |
高濃度のオゾンを生成するために,一般には滞留時間を長くするため放電領域を長くする方法がとられている。この場合,無声放電により生成されたオゾンが次の放電により破壊されるためエネルギー効率が悪くなることが指摘されている。またガスの通過長が長くなるため圧力損失が増し大量のガスを流すのに不利こなっている。そこで,本研究では大量の原料ガスを導入でき,また電極最短距離部で高密度の無声放電が集中して発生するようにガラス被覆棒電極対棒電極をすだれ状に配列した大口径の無声放電型オゾナイザを試作し,オゾン生成の諸特性について調べ、検討した。主な結果を以下に示す。 (1)棒対棒電極系の最適ギャップ長は0.7〜1.0mmであり,ギャップ間でフィラメント状の一様な放電が発生していた。 (2)本オゾナイザの最大オゾン収率は空気原料で123g/kWh(放電電力0.7W,オゾン濃度340ppm),料で375g/kWh(放電電力0.5W,オゾン濃度745ppm)であった。 (3)電極列数3列のオゾナイザでは空気原料の場合オゾン濃度2500ppmでオゾン収率100g/kWh,酸素原料の場合オゾン濃度5500ppmで200g/kWhのオゾン収率が得られた。 (4)本オゾナイザの最大オゾン濃度は空気原料で3400ppm(オゾン発生量860mg/h,オゾン収率829/kWh),酸素原料で6800ppm(オゾン発生量1.749/h,オゾン収率173g/kWh)であった。 (5)今回提案したオゾナイザは簡単に電極列を増やすことができ,大容量化が可能である。
|