研究課題/領域番号 |
12650361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
稲葉 直彦 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90213123)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カオス / 非線形回路 / 非線形振動 / 分岐 / カオス制御 / Taming Chaos / カオス抑制 / 非線形力学系 / Taming chaos / カオスの抑制 |
研究概要 |
本研究では、微小高調波外力の印加によるTaming chaosのメカニズムを明らかにするため、ダイオードを含む2次元強制発振器に区分線形化法と理想ダイオード型摂動法を適用し、解析を行った。Taming chaos現象とは、カオスの発生している微分方程式に微小高調波外乱を印加すると、カオスの発生が抑制され、安定な周期解が出現する現象のことをいう。しかしながら従来の研究では、どのようなメカニズムによりTaming chaos現象が現れるのか、明らかではなかった。 メカニズムの明らかでない現象は、実用化することはできない。本研究では、解析のため写像法を適用した。区分線形化法および理想ダイオード型特異摂動に加えて写像法を適用することにより、ポアンカレ写像を一次元写像として厳密に導出した。一次元写像は理学の分野で詳しく解析されているため、これによりTaming chaosのメカニズムを理論的に調べることが可能である。その結果、Taming chaos発生するメカニズムは、サドルノード分岐と呼ばれるある種の分岐現象であることが明らかとなった。サドルノード分岐曲線を追跡し、2パラメータ分岐ダイヤグラムを作成した。その結果、分岐ダイヤグラム上で同期引き込み領域を形成するアードルドの舌が微小高調波外力の印加により、太くなっていることが明らかとなった。これは、同期引き込み領域が微小高調波外乱によって拡大したことを意味している。本研究は、Taming chaos現象が工学上、カオス現象を抑制するための有効な手段であることを明らかにしたものである。
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