研究分担者 |
藤原 融 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70190098)
得重 仁 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (50336921)
吉田 彰顕 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (50316139)
楫 勇一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (70263431)
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研究概要 |
1.適応型再帰的最尤復号アルゴリズム(AMLD法)の提案を行った.AMLD法では,尤度の高い局所最尤系列を適応的に求め,それらを組み合わせることで最尤符号語を発見する.AMLD法をソフトウェアにより試作し,いくつかの代表的な線形ブロック符号に対する復号複雑さを評価したところ,AMLD法の平均計算量は既知の方式に比べて非常に小さいこと,AMLD法の計算量を極端に増加させてしまうような「特異点的」な受信系列が存在すること等が明らかになった.特異点的な受信系列に対するAMLD法の計算量を削減するため,局所最尤系列の計算の際にある種の隣接条件を与えることができるよう,AMLDアルゴリズムの改良法を検討した[1,3,5].また,上記課題と並行して,局所最尤系列の計算を途中で打ち切るような準最尤復号法の検討も行った. 2.限界距離復号をその探索中心を逐次選びながら,繰り返して行く復号法について,探索中心の選択法を詳細に検討した.従来のChase II復号法などでは,探索領域の重複が大きく,復号失敗の比率も小さくなかった.これらを改善する探索中心の生成法を考案した.その結果,いくつかの代表的符号(例えば長さ127のBCH符号)について模擬を行いChase II復号法と比較して,比較的少ない繰り返し回数でかなりよい誤り制御特性をもつことを確認した[2,4].ひきつづきRS符号等の多元符号への拡張を検討している. 3.外部符号がRS符号である連接形符号の誤り制御特性を改善する内部符号の選択について検討した.外部符号と同じシンボル数をもつ短縮RS符号について詳細に2元像符号の重み分布を分析し,内部符号として従来提案されていた符号より,かなりすぐれた誤り制御特性をもつ符号を選び出すことに成功した[6]. (注)文中の[x]は,裏面に記載されたx番目の論文を指す.
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