研究課題/領域番号 |
12650418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
谷治 環 埼玉大学, 工学部, 教授 (50166493)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | フーリェ分光 / 紫外放射測定 / リアルタイム分光測定 / 偏光干渉計 / SiO_2結晶 / 裏面入射型CCD / ロションプリズム |
研究概要 |
二次元的に分布した紫外放射をリアルタイムで分光評価できるシステムを構築する。本研究では、紫外放射を二次元的に、かつ分光的にリアルタイムで評価するシステムとして、従来の移動鏡を用いたマイケルソン干渉計の代わりに、可動部のないコンパクトな偏光干渉計を用いた新しい紫外フーリェ分光放射計測システムを提案し、その設計、製作及び性能評価を行った。2年間の研究で、以下の成果を得た。 (1)本システムの設計仕様を次のように決定した。測定可能波長範囲は200〜400nm、最大波長分解能は10nm以下(波長400nmにおいて)、測定時間は30msec以下、ダイナミックレンジは10^2、データ処理部を除くシステムのサイズは100×100×100mm以下とした。 (2)設計仕様に基づき、偏光干渉計に使用する入射光学系の選定、偏光子・検光子の選定、偏光素子の材料選定及びその製作、紫外放射用背面入射CCDの選定及びCCDからの画像取込システムとデータ処理システムの開発を行った。入射光学系は基本的に紫外放射を透過する溶融石英を使用した素子により構成した。偏光子・検光子はα-BBOのロションプリズムを選定した。光路差生成に必要な複屈折材料としてSiO_2結晶を選定し、その波長分散を測定した。その結果、十分な特性を有することを確認した。紫外イメージセンサとして、紫外放射用背面入射CCDを選定し、その分光応答度を測定し、使用可能であることを確認した。 (3)紫外フーリェ分光放射計測用の画像取込及びデータ処理システムプログラムを開発した。 (4)偏光干渉計に使用する複屈折結晶を設計に従って楔形に光学研磨した。紫外放射源、入射光学系、偏光子・検光子、複屈折結晶及び紫外放射用背面入射CCDを配置し、その紫外偏光特性、屈折率特性を真空紫外分光測定システムにより評価した。その結果、平面内における分光透過特性のばらつきは2%以内であった。 (5)紫外放射源を用い、従来の分散形の真空紫外分光測定システムと本システムの比較測定を行った結果、波長400nmにおける波長精度は5nm以内、波長分解能は10nm以内であり、設計仕様を満足していることが確認された。また、その際の測定時間は25秒であった。 (6)入射部にマイクロレンズアレイ(MLA)を用いて二次元の多重像をレンズの個数分作成し、各レンズ毎の紫外分光分布を測定した。その結果、波長200nmまで使用可能であることと、レンズによるばらつきは2%以内であることを確認した。 (7)次に、MLAの色収差について測定した結果、短波長になるほど色収差の影響が大きく、二次元データを波長分解したときに大きな誤差を発生することがわかった。今後、色収差の少ないMLAを導入することにより、定量的な二次元紫外放射分光測定を実現できるものと考える。
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