研究概要 |
(1)デジタル画像から均質化用解析モデルを自動生成するサブシステムの開発:均質化理論に基づいて岩盤を構成する岩石コアの材料特性と岩盤の内部構造を示す画像情報から岩盤の平均物性を数値解析的に推定することができる.この均質化解析をスムーズに行うために,パーソナルコンピューターにおいて,イメージスキャナを介しての岩盤の詳細スケッチなどのデジタル画像データを取り込み,それらから1画素を1有限要素とする有限要素モデルを生成するサブシステムを構築した. (2)均質化法による画像データからの岩盤物性解析プログラムの整備:岩盤表面の画像データから有限要素モフルを作成する(1)のサブシステムと,これまでの研究において開発済みである均質化解析によって平均弾性係数を計算するフログラムならびに数値的強度試験よって岩盤の巨視的な破壊強度基準を算定する解析プログラムを連結し,一連の解析システムとして整備した. (3)極限支持力解析法に基づく岩盤構造物安定解析プログラムの整備:均質化解析によって得られる岩盤の平均弾性係数と数値的強度試験によって得られる岩盤の破壊強度基準を用いれば,極限荷重解析によって岩盤構造物の破壊荷重を評価することができる.そのため,現有する極限支持力解析プログラムを修正して,(2)のサブシステムを介して作成された有限要素モデルに対して岩盤構造物の2次元安定性評価を行うための解析プログラムを新たに開発整備した. (4)均質化理論に基づくマルチスケール解析法の理論的背景を整理し,開発した解析システムによる解析例題と併せて論文としてまとめた.
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