研究課題/領域番号 |
12650496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤村 尚 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30032030)
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研究分担者 |
西村 強 鳥取大学, 工学部, 助手 (90189308)
木山 英郎 鳥取大学, 工学部, 教授 (30026067)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | カオス / フラクタル / 亀裂性岩盤 / 個別要素法 / 表面形状 / 岩盤形状 / DEM |
研究概要 |
ファジィ理論・ニュートラルネットワークと並んでソフトコンピューティングの新しいパラダイムとして最近注目を浴びているのが、「カオス理論」である。カオスとは、「乱流や生態システムにおけるリズムなど自然界のいたるところに存在する非線形ダイナミカルシステムに内存する一見無秩序かつ予測不可能な現象のこと」をいうが、最近こうした複雑な現象の背後に隠れた法則を解明し、積極的に工学的な応用をはかる試みが胎動している。カオス理論の工学的な応用を目指す新しい学際的な問題領域は「カオス工学」と呼ばれている。 土木の分野において、近年コンピューターの目覚しい発達に伴い、さまざまな数値解析が行われるようになってきた。亀裂性岩盤の数値解析において重要なパラメーターである岩盤不連続形状については、正確に把握されていないのが現状であり、その不連続面を計測することが必要不可欠であるが、多くの制約のために十分なデータを得るのが困難な状況にある。 そこで本研究では、カオス理論を用いて岩盤不連続面形状のカオス性を判定することを試みた。まずカオス性を判定するものとして、自己相関関数・フラクタル次元解析・リアプノフスペクトル解析及び時系列変動の滑らかさに基づく決定論性評価を行った。つぎに、サロゲート法によるカオス性を統計的な処理から、その有無を評価した。ここでは、岩盤不連続面形状は、Bartonらの示した紙上のJRCを用いて検討した。解析結果では、JRC値の大きい、粗い不連続面形状ではカオス性があることが知れたが、JRC値の小さい、凹凸の小さい滑らかな不連続形状ではカオス性を十分に説明できなかった。そのため、岩盤不連続面形状の数値データの収集・処理などについて検討する必要がある。 一方、個別要素法(DEM)による土質・岩盤(地盤)への適用性を調べた。落石、斜面などの問題について、円形要素や矩形要素の単体や集合体にモデル化した地盤の挙動を旨く説明できた。また、種々の室内実験結果を踏まえて、材料定数やDEMの確かさを調べ、ほぼ良好な結果を得た。 さらに、実斜面での熱赤外線影像解析や新しい亀裂抽出法を提案して、亀裂についていくつかの知見を得た。 なお、カオス・フラクタルとDEMの連結については、今後の問題としたい。
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