研究概要 |
1)落石が落石覆工に衝突する際の衝撃力に及ぼす敷砂緩衝材の密度の影響 直径50および98mmの平底の重錘(落石に相当する)を,内径180mm,高さ300mmのモールドに充填した3種類の乾燥密度からなるまさ土(敷砂緩衝材に相当する)上に,落下高16〜46cm,重錘質量3〜7kgの計16通りの組合せにて落下させ,重錘貫入量,重錘加速度,およびモールド底面土圧を測定した.その結果,以下に示す知見が得られた. 1.重錘貫入量および衝撃持続時間は,供試士の乾燥密度が増加するにしたがって減少する. 2.重錘の衝撃加速度,モールド底面土圧および衝撃波伝播速度は,供試士の乾燥密度が増加するにしたがって増加する. 3.衝撃圧力伝達率(土の表面に加わった衝撃圧力がモールド底面に到達する割合)は,供試土の乾燥密度の影響をほとんど受けない. 2)土砂斜面上の落石の運動に関するシミュレーション解析 任意の斜面傾斜角,円柱落石の半径・質量における平坦均質な土砂斜面上の落石の沈下量,スリップ率,斜面方向加速度を求めるシミュレーション解析を行った.落石の沈下量を考慮するため,土砂斜面上の落石の線運動解析にテラメカニックスにおける剛性車輪の走行理論の適用を試み,Visual Basic6.0を用いて土砂斜面上の落石の線運動(並進運動および回転運動)に関するプログラムを作成した. その結果,垂直地盤反力の斜面方向成分で表される締固め抵抗が,土砂斜面上の落石の線運動にかなり影響を及ぼすことが判明した.ここで提案したシミュレーション解析法の適応性は,定量的にはまだ不充分であるが,定性的にはある程度満足のいくものである.
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