| 研究概要 |
深刻化している海浜消失を防ぐためには,波浪に対する海浜変形を精度良く予測することがまず必要である.しかし,一般にはその入力の波は海岸固有の代表波であり,周期と波高が固定された波である.したがって,台風などによる短期的な外力にともなう海浜変形や常時の波による海浜の復元過程のような海浜の動的な変化は基本的に予測不可能である.これを克服するためには,固定された外力(波)を動的に扱うことが必要不可欠である.
本研究は,気象庁から有償で提供されるGPVデータを利用し,1)気圧変動の時空間変化から風場の時空間変化を推算する手法の構築
2)求まった風場から風波および風成流を予測する手法の構築
を行い、海浜変形のダイナミックな計算を現実的なものにすることを目的に開始された.また,併せて,現地海域にて計測された海上風と波浪の関係を詳細に考察することにより,風と波の相互関係にも検討を加えた.そして,GPVを使って風場の三次元の時空間変化予測モデルを提案し,その有効性を示した.さらに,現場海域の風と波の相関関係について,その時間的な変動特性の観点から新たな知見を見いだした.さらに,その成果を使って推算風速場から風波の予測手法を提案した.
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